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いつか忘れてしまうつもりで、今日も。

CoM0 TrB0

わたしは香川県がとにかく好きだった。
あんな何もない町だけれど。
そこにはその人がいる、という事実が好きだった。
地元に帰る日が近づくたび、くだらない期待をする。
もしかしたら、偶然どこかで会いはしないかと。
そんな、実現性の限りなく薄い愚かしい希望が、
その日一日わたしを永らえさせる。
幸福のうちに、永らえさせる。



ついに旅行も最終日。
もうあとは帰るだけ!
fs線でナポリからローマに引き返し、適当にお土産を物色。
免税店は安いんだとよく皆言うんだけど、円が安い国でモノを買っても、高い
のは変わらんよ。
ブランド品だって各国で価格調整がされているので、免税で
わずかばかり戻ってきても
全然意味がないレベル。
したがって、そんなもの買わない。
へんなお菓子を買って、もだえ苦しむみんなの姿を想像
するだけ。ヒヒッ。 



そしてイタリアを出国!
また必ず来ようと思わせられる、そういう国だった!
レオナルド・ダ・ヴィンチ空港という、そのものズバリなネーミングの空港から、
フィンランドを経由し、はるか海上の日本へ。
フィンランドでユーロ圏出国の手続きをする際、スタンプを見落とした入国管理官に
呼び止められる。通じないのをいいことに、「ハァふざけんなよ」と毒を吐く。
それでも
なかなか埒があかないので、パスポートをつき返しながら、重低音で
「てごいてんちゃうぞ、よぉ見ろや(「ふざけないでよく見てください」の香川方言)」
とマジ切れる。短気なんだよ悪いか。
結果は功を奏し、スタンプを確認できたらしい入管は、気まずい薄笑いをしながら
すぐ通してくれました。最後にもう一回「チッ」と言ってその場を離れるよこやまさん。
日本人は優雅なんかじゃないね、自己利益最優先だね。

長い長い長い、長いフライト。
約十数時間。時差ぼけもあるので、だいぶつらい。
持参した文庫本なんざ、とうの昔に読みきってるし、
機内での映画上映をタラタラ眺めて過ごすしかない。
上映作品は…「涙そうそう」。
長澤まさみが主演だったやつだ…。

で、「涙そうそう」によって、よこやまさんにささやかな転機。
にーにーブームが到来したのだッ!!
萌え!にーにー萌え!
長澤まさみ萌え
!
かわいすなぁかわいすよぉ。
なにあのかわいさ!!
人外!
寧ろ鬼畜!
ブラボゥ
!
グッジョブ!!
マンセー!!


なんで高校生が兄貴を「にーにーvv」とか言っちゃいますかコノヤロ。
さとこよりかわいいじゃねぇか三次元コノヤロ。
久々に妹系がキターーーーーーー!!
ヒィィ、なにこの破壊力!
にーにー!
にいさまー!(幻聴)
…っ
きゃーーーー!
コンボ!
コンボ決またーよ!!
萌え死ぬ!
萌え殺されるjfghjhyrっうぇwwwwwwww
まさみたちのためなら、にーにー、機内食のマッシュポテトも完食しちゃうよ!!
ハァハァハァ
ハァ
!!!!

結果。
ヨコヤマ「うヴぇあぁぁぁぁ…気持ちわるぅぅぅぅ…」
CAさん「お客様、酔い覚ましの紅茶です…!」 
ヨコヤマ「うヴぇあぁぁぁぁ…」
学べよ自分。

そうやるうちに、欧州を抜け、ロシア上空を抜け、半島を抜け…日本領海内へ。
飛行地図を見ていたら、香川県は高松市の上空を通って関空へ向かうらしい。
関空へ近づくに連れて、すごく楽しみになってくる。
何が?
いや全然わかんない。
けど、とても楽しみだった。

何が楽しみか。何かしたいのか。
そうだな、京都に着いたらまずは先斗町でお蕎麦を食べよう。
友だちの顔を見よう、お土産を渡そう、家族に電話をしよう、日記を書こう、芸本の
みんなと
呑みに行こう、メディックスの練習に行こう、ゼミのみんなと遊ぼう。
それから香川に帰ろう。
おそらく何よりも深く、わたしの中に根ざした町へ帰ろう。
そうだ、それが何よりも一番に楽しみだった。
イタリアを目指すフライトのときよりもずっと、あの町に帰るのが楽しみだった。 

あの町には何もない。
実際、長期休暇の帰省の際には、手持ち無沙汰にしか感じないのだ。
そうやって暇を持て余しながら、早く京都に戻りたいと思ったりする。
それでも、香川に帰るときのわたしは、いつでも幸福だった。
始発電車に乗って、あの小さな町を目指す。
到着までの5時間半、わたしにはとても幸福だった。
脳裏にちらつくのは、家族であったり、友人であったり、好きな人であったりする。

いいや、本当は他の誰の顔だって浮かびはしない。
わたしが思い描くのは、その人だけかもしれなかった。
まだその人が身近にいた頃、食べることや眠ることよりも、友人や家族よりも、
挙句には
自分の将来なんかよりも、その人が大事だと思っていた。
何を捨ててでも会いたいと、
それだけに意識を専有されて生きていたあの頃、
胸の中を始終浸し続けていた、
甘くて幼稚でそれでもとてもいとおしい気持ちが、
ものすごく近くまで帰ってくる。

日本にはその人がいる。
ローマやヴェネツィアなんかに探すまでもない。
パスポートは必要ない、高額を積む必要もない、大きな海を越える必要もない。
その旅程に必要なものはない。
同じ言葉でことたりる、同じ時差で生きている。
会いたければ帰ればいい。
たった五時間で、わたしは帰れる。
 
たしかに、そこにわたしを待つものはない。
応えるものは、いつどんな時だろうと何も用意されていない。
空しいだけかもしれないし、結局いつだって残るものはない。
待つべきものは何もない。
完璧に何もないけれど、その五時間半は確かな幸福だった。
そのあとにあるものが抗いようのない空しさだとしても、二度と会うことはなくても、
その五時間半の喜びは、他の誰でもない、わたしのためだけに用意されている。

少なくとも同じ町の同じ景色を共有することはできる。
なにもないかわりに、そんな些細なことを幸福にできる。
そういうのも悪くないと思っている。
見えないけれど、聞こえないけれど、薫らないけれど、
会うことはないかもしれないけれど。
私が忘れてしまう、その瞬間までそこにいる。


…この旅行の顛末記を書いている今は、ちょうどゴールデンウィークの前だ。
明朝、この記事をアップしたら、香川にとんで帰る予定でいる。
その人の生きる町に、かつての私の生きる町に。
そこで、もしかすればすれ違うかもしれない。
あの小さな町で、何かの偶然で、出会うかもしれない。
そんな偶然を待つ間、わたしはいつも期待している。


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日記は雑記。  2007.03.27
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プロフィール

よこやまさん。

Author:よこやまさん。
性別:女のひと
年齢:19歳13ヶ月に突入。
趣味:女子高生の制服を追求。
所属:日文専攻、合唱団ほか。
備考:香川を愛してやまない
大学生。でも今は京都暮らし。

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